生態学的瞬間評価法(EMA)による活動モニタリング

うつ病

 日本では、100人あたり3から7人の割合でこれまでにうつ病を経験したことがあるという調査結果があり、うつ病は一番多くの人が経験する精神疾患であると言われています。うつ病になると眠れない、食欲がない、一日中気分が落ち込んでいる、何をしても楽しめないなどの身体的・精神的な症状があらわれます。それによって、日常生活にも大きな支障をきたす精神疾患です。

活動モニタリングとテクノロジー

 活動モニタリングとは、日常生活の中で自分の行動やその行動に関連する気分をモニタリングすることです。うつ病の治療や人々のウェルビーイングへの効果が認められた心理療法の中核的な技法のひとつとなっています。活動モニタリングを新たな技術を用いて行うことで、実現の難しかったタイムリーかつ断続的な情報収取、利用者の自己報告以外のデータ(位置データや活動量など)の蓄積、専門家との自動的なデータの共有ができ、新たな可能性が広がることが期待されています。

モバイルアプリケーションを用いた取り組み

 日本におけるモバイル端末の普及率は9割を超え、スマートフォンやタブレット端末は私たちの生活の一部となっています。モバイル端末を用いると誰もが気軽に、場所や時間に拘束されることなく、対話型のメンタルヘルスチェックを行うことが可能です。でも私たちの研究室では、その中でも特にタイムリーかつ断続的な情報収集であるEcological Momentary Assessment(EMA)に焦点をあてて研究を行っています。モバイル端末を使用したEMAによる活動モニタリングの効果が明らかになることで、治療の選択肢が広がり、その適用範囲をより一般性の高いものへ拡大することを目指しています。

※プロジェクトの最新の成果については、下記のリンク先からご覧いただけます。
https://researchmap.jp/Hikari-TAKASHINA/

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