大学生の摂食障害の予防

大学生と摂食障害

 摂食障害は年々増加の一途をたどっており,大学生は摂食障害の好発期にあたります。また,摂食障害のサブクリニカルにあたる摂食障害傾向を示す大学生が多く存在することが報告されており,治療的介入だけでなく予防的介入を行うことが求められます。私たちの研究室では,大学生を対象とした摂食障害予防研究プロジェクトを行っています。

摂食障害の発症プロセス (調査研究)

 海外においては摂食障害の発症プロセスに関するモデルの検討が行われ,代表的なモデルとして食行動異常の二過程モデル (The Dual Pathway Model of Eating Pathology) があります。このモデルをもとに後述の摂食障害予防プログラムが作成され,メタ分析によって有効性が示されています。私たちの研究室では,海外で用いられている尺度の日本語版を作成したうえで,日本の大学生における食行動異常の二過程モデルを検討しています。横断調査の結果,日本特有の結果が示され,現在は縦断調査によってより詳細な検討を行っています。

摂食障害の予防プログラム (介入研究)

 海外では摂食障害予防プログラムの第一選択肢として,不協和理論に基づく介入 (Dissonance based intervention: DBI) が推奨されています。私たちの研究室では,大学生に対する摂食障害予防プログラムとして DBI を日本に導入するための研究を行ってきました。現在,海外で作成されたDBIプログラムであるBody Projectを用いて日本の女子大学生に対して介入を行い,その効果を検討しています。今後は日本文化に適した摂食障害予防プログラムを開発することを目的としており,日本で検討した食行動異常の二過程モデルから新たなプログラムの作成も行っています。Body Project の作成者であるEric Stice博士とも協力関係にあり,アドバイスを受けながら研究を進めています。このような研究を通して,日本における摂食障害の予防や国内外における摂食障害研究の進展を目指しています。

※プロジェクトの最新の成果については,下記のリンク先でご覧いただけます。
https://researchmap.jp/uedas/

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