大学生の抑うつに対する認知行動療法

大学生とうつ病

 うつ病は大学生にとって非常に重大なメンタルヘルスの問題です。大学生の時期はうつ病の好発期にあたり,多くの大学生がうつ病を経験することが知られています。また,うつ病は大学生の心身の健康や良好な学生生活を大きく損なうことから,予防や早期の対応が求められています。

認知行動療法による心理学的プログラム

 私たちの研究室では,大学生のうつ病の発症や重症化を予防するための心理学的プログラムの開発を行っています。プログラムの中心になるのは,「ソーシャルスキルトレーニング」や「認知再構成法」といった認知行動療法の伝統的な技法と,「マインドフルネス」と呼ばれる認知行動療法の新しい技法です。プログラムは5名前後の集団形式で行われ,90分×5セッションで構成されています。プログラムの進行役(ファシリテーター)は公認心理師や臨床心理士といった専門資格のためのトレーニングを受けた研究室スタッフが担当しています。

心理学的プログラムの成果

 私たちの研究室で初期に開発されたのは,伝統的な認知行動療法の技法を用いたプログラムでした。この初期のプログラムは大学生の抑うつ症状を改善し,プログラムが終わった後も長期的に効果が持続することが実践研究を通じて明らかになっています。
 新しいプログラムでは,新世代の認知行動療法の技法であるマインドフルネスが採用されています。マインドフルネスを用いたプログラムも,伝統的な認知行動療法を用いたプログラムと同等以上の効果が期待されています。この新しいプログラムの効果を検討するための実践研究が,現在進められています。

※プロジェクトの最新の成果については,下記のリンク先でご覧いただけます。
https://researchmap.jp/read0201942/

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